ミラノ通信

誉める!

2011/12/29

またまた歯医者に行きました。行かざるを得なかったのです。そこで色々と話していて先生がおもむろに発した言葉に私は驚きました。

"Tu parli italiano divinamente bene!"

divinamenteは字義通りには 「神のように」 とか 「神々しく」 といった意味で、実際には 「すさまじいほど」 という程度の意味だと思いますが、私の冴えないイタリア語に対して「君、イタリア語が信じられないほどうまいな!」 なんて言われて私は歯の痛みもどこへやら、なぜそこまで誉めるのか。と考える間も無く、grazie!と返事しました。もちろんここは外国なので、「僕のイタリア語なんてヘタッピです」 なんてややこしいことは申しません。ただ、「どうしてそう思うんです?」 と尋ねてみました。

「例えば君の使う表現だよ。何年イタリアに住んでるんだい? え、4年? たった4年でこんなに話せるのか?」 と真剣に言ってくれました。即ち、単に社交辞令でお世辞を述べているのではないのです。

優れていると思った事に対して心から誉める。これこそイタリアの素晴らしい文化です。(駄目なものには嫌いと言いますが)

そう言えば数日前、私の服を観察した友達が、「素晴らしいセンスだ! かっこいい!」 と言ってくれました。このように、気に入ったものに対して惜しみない賛辞を送るのがイタリア人、イタリア社会の魅力なんですね。

以前に少し触れた事があったかもしれませんが、イタリアがファッションの国であるのは、単にブランドが存在しているからだけでなく、ちょっとお洒落な格好をしようものなら、「おおー! 今日、とってもエレガントだね!」 と、惜しむことなく誉め合い、足を引っ張ることがないということも一因のように思えます。

先日、イタリアに20年ほど住んでおられ、ビジネスでの成功を収められた日本の方とお話する機会がありました。その方曰く、イタリアに天才が産まれる理由は、正しい理由に基づいて心から誉められることにあるのではということでした。誉めて伸ばす。

惜しみなく誉める。日本の社会でも、これが根付けば天才がドンドン産まれるかもしれません。とはいえ、お調子者の私は、驕らないようにしないといけませんが...。

2011/12/29 ヤマネ@Milano