ミラノ通信

Tranquilla

2018/09/30

日本から来たばかりのMさんと話す機会がありました。

Mさんは知り合いを伝ってミラノで家をみつけ、数人で同居しておられます。こうすることで家賃負担を下げているというわけです。

同居人のなかで日本人は彼女だけで、まだイタリア語がうまく話せないので英語かスペイン語でどうにかこうにかやっているそうです。最初は誰だって頑張らないといけません。

Mさんはどうも大家さんとうまく意思を通わすことがまだできないそうです。共用バスルームを使っていると大家さんがやってきてしかめっ面で代わって欲しそうにするから慌てて用事を済ませて出ると、他の人から「Tranquilla!(トランクイッラ)」と言われたんだそうです。Mさんは明らかに感情を害しているようでした。

「Tranquilla!」というのは「まあまあ落ち着いて!」という意味になることがあります。Mさんはそう言われたのだと考えて馬鹿にされたと感じたのでしょう。

しかし、言い方によるのですが、通常「Tranquilla!」というのは「心配しなくてOK。大丈夫だよ」という優しい意味で使われることの方が多い言葉です。直訳して「落ち着きなさい」と解釈すると確かに腹立たしいですが、本当は「大丈夫、何も問題ないよ」という親切な表現なんですね。

勝手にこちらで間違えた理解をして、傷ついたり落胆したりすることってあるものです。そのことを説明してあげると少し安心されたようでした。

私も同様の経験をしてきました。イタリアの人は出会う度に、たとえ昨日出会ったばかりだとしても「come stai? (コメスタイ?)」と尋ねることがあります。私はかつてそれを「元気?」と直訳して「なんだか元気じゃなかったみたいだけど今は元気になったのかい?」という意味を間違って感じ取っていたものですから、毎回嫌な気持ちになっていました。

でも実際は単に、関西弁でいえば「どない?」程度の表現なんです。日本語に訳さずその意味を感じ取るようになった今ではどんどんみんなに「come stai?」と言っています(笑)。

Mさんにはへこたれずに頑張って欲しいです。

2018/9/30 ヤマネ@Milano