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弁理士ブログ

最近の雑感

2015/06/01

今、私たちの業界の大きなトピックといえば、1つはいわゆる「新しいタイプの商標」(これはよく報道されていますね)で、もう1つは「意匠の国際出願」でしょうか。
「新しいタイプの商標」はここで改めて書くまでもないので省きますが、「意匠の国際出願」の方は、おさらいの意味を込めて、最初にざっくりと簡単に説明しておきます。
外国で意匠権を取りたい場合、これまでですと、例えば3つの国なら3つの国に、5つの国なら5つの国に、それぞれ個別に手続(その国の知的財産官庁への出願)をする必要があり、国の数が増えるとそれだけ手間も増えるため面倒でした。そこで、複数の国を一括してまとめて出願することができるようにしたのが、この「国際出願」という制度です。意匠の国際出願は、これを取り決めている国際条約の名をとって、「ハーグ出願」などと呼ばれています(まだ制度が始まったばかりなので、このような呼び名は定着していないようですが)。
「意匠」の国際出願とありますが、実は、商標と特許にも同じく国際出願の制度があり、こちらは意匠よりも前から日本でも利用されています。
商標の国際出願ですが、一般に「マドプロ出願」と呼ばれています。「マドプロ」は、「マドリッドプロトコル(マドリッド協定議定書)」という国際条約の略称です。
特許の国際出願の呼び名は「PCT出願」です。「PCT」は、「特許協力条約」の英語表記(Patent Cooperation Treaty)の頭字語です。・・・と、ここでまで書いてみて、そういや特許だけ地名が入っていないなぁと、今更ながら気づきました。意匠のハーグ、商標のマドリッドに相当する地名はワシントンなので、あえて言うなら「ワシントン出願」になりますが、少なくとも私がこの業界に入ってから、このような呼び方を見たり聞いたりしたことはないと思います。ワシントンを舞台にした国際条約はたくさんあるので、この地名を使うと結構紛らわしいのではないかな、などと想像しています。
このようにようやく、意匠、商標、特許と国際出願の制度がすべて出そろいましたが、その中身は少しずつ違っています。どう違うかは、次に機会があれば書いてみたいと思います。

中村 泰弘