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弁理士ブログ

「する」こと

2016/11/01

4月に会長になり、管理業務が大幅に軽減されて、気分的には随分楽になりました。新所長にはたいへん感謝しています。

その分、お返しといいましょうか、実務のチェック、指導に力を入れるようにしています。細かいところが気になるものですから、出されてきた原稿を真っ赤にして返して、うるさがられています。

特許出願で重要な書類は「特許請求の範囲」と呼ばれるものです。これが権利範囲になります。権利範囲ですからできるだけ広くしたいのですが、広くし過ぎると既に世の中にある技術(従来技術といいます。)をも含んでしまうことになり、拒絶されます。その兼ね合いが難しいところです。そして、範囲が広いも狭いも、その範囲自体が明確でないと意味がありません。特許業界にショックが走った最近の最高裁判決により、最近の審査ではこの範囲の明確性が非常に厳しく要求されます。

最近、気づいたことの一つです。特許請求の範囲に「○○する」と書かれているのですが、どうも「○○する」だけではうまく行かないようなのです。実際には、「○○した結果、△△となる」とまで規定しないと、うまく行かないように思われました。説明すると気づいてくれましたが、書くときにはそこまで考えが及ばなかったようです。

特許請求の範囲だけではなく、日常の生活においてもこの違いは重要です。誰かに「○○しておいてね。」と頼みます。頼まれた人は○○をするのですが、「する」で終わる人と、「した結果○○になっている」ところまで確認する人がいます。もちろん頼んだ方は後者を期待しているのですが、前者でも、指摘して気づいてくれればそれで構いません。しかし、指摘しても「私はちゃんとやりました。」と言い張る人には困ります。

つまり、結果なのですね。何かを「する」ときの目的は、それをすること自体にではなく、その結果を得ることにある訳です。

うるさがられながら、そのようなことを言っています。

小林 良平