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弁理士ブログ

特定外来生物

2017/07/11

今年の6月以来、兵庫県、愛知県、大阪府、東京都の港で次々と発見されている「ヒアリ」。かなり攻撃的なアリで、しかも刺されたときの傷みが非常に激しく、場合によってはアレルギー反応によってショック状態を引き起こすという。連日のようにTVのニュース番組や新聞で注意を呼びかけていることからも、危険性の高さがうかがえます。今回のヒアリはあまりにも危険であるため、日本に侵入したことによる問題や万一日本に定着してしまった場合の被害等について大きく報道されていますが、これまでも、海外からの生物の侵入により、さまざまな問題が発生しています。そのため、日本では、2005年6月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(略称:外来生物法)」、 http://www.env.go.jp/nature/intro/1law/index.html))を施行し、外来生物の取り扱いを規制しています。

外来生物法の目的は「特定外来生物の飼養、栽培、保管又は運搬(以下「飼養等」という。)、輸入その他の取扱いを規制するとともに、国等による特定外来生物の防除等の措置を講ずることにより、特定外来生物による生態系等に係る被害を防止し、もって生物の多様性の確保、人の生命及び身体の保護並びに農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、国民生活の安定向上に資すること」です(外来生物法第1条)。この目的からも分かるように、外来生物のなかでも特に生態系・生物多様性に影響を及ぼす、人身に危険が及ぶ、農林水産業の発展を妨げるといった生物を「特定外来生物」として指定して、その取り扱いを規制しています。

環境省は、そのHPに特定外来生物の一覧を掲載しており(http://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/list.html)、それによると、平成28年10月1日現在で特定外来生物に指定されている数は10分類132種にのぼります。今回のヒアリはもちろん、ときおり新聞等で報道される「セアカゴケグモ」も特定外来生物に指定されています。

特定外来生物の一覧を見ると分かるように、特定外来生物には今回のヒアリのように海外から運ばれたコンテナに入り込み、知らない間に日本に侵入した生物だけでなく、ペットとして輸入された後、逃げ出したり遺棄されたりした動物、観賞用・緑化用に導入された植物等も含まれており、特定外来生物の侵入の防止は、水際での取り締まりを強化すれば良いという単純な問題ではないようです。

こうしてブログを書いている間にも新たな場所で発見されたとの報道があり、ますます拡がりを見せているヒアリ。まさか、アリという小さい生き物に私たちの生活が脅かされることになるとは思いもよりませんでした。

市岡 牧子