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2021/03/09弁理士ブログ

仕事

 毎夕、事務所を退出した後に一仕事しています。今流行の副業ではなく、「力学系Sに力Fが作用し作用点がdrだけ変位するとき、スカラー積F・drを、その力がSになした仕事という。1質点にはたらく力のする仕事は、その間の質点の運動エネルギーの増加に等しい。仕事の単位にはエネルギーの単位Jが用いられる。」(岩波理化学辞典)という仕事です。事務所のある四条通から自宅近くの北大路通まで自転車で坂を上っています。

 ローカルな話で申し訳ありませんが、Google Map等で「京都御所」と入れ、地図を見ながら話におつきあいください。京都は南から北へ少しずつ上がっており、北大路通は東寺の五重塔の先端と同じくらいの高さにあると言われています。実際にはそれよりもやや低いようですが、四条通から北大路通までの標高差は約30mです。四条通沿いのビルの高さは31mに規制されていますので、地上からそのビルの屋上まで上っていることになります。計算しますと、私の体重を30m持ち上げるのに要するエネルギーは約17kJ(キロジュール)、約4kcal(キロカロリー)でした。大人が静かに過ごしていても1日に約1500kcal、すなわち1分間に1kcal必要だそうですから(基礎代謝)、じっとしていても約4分で使ってしまう程度の量です。全く大した仕事ではありません。しかも、この私の第2の仕事は他の人には意味が無く、単なる私の「変位」にしかすぎません。

 その前に私が事務所でしている仕事は物を変位させる(動かす)仕事ではなく、ほとんど机の前に座った状態でする仕事です。先程の理化学辞典の定義からしますと、変位がゼロですので、仕事量としてはゼロとなります。

 一方、地震や台風は巨大なエネルギーを持っており、大きな岩や大量の水を変位させる(動かす)という仕事をします。10年前の地震は、自然がエネルギーを無秩序に放出し、人間の築き上げた仕事を破壊するという仕事をしました。

 しかし、自然は決して人間と対立するものではありません。むしろ、人間は自然のエネルギーをうまく利用して様々な仕事をし、この世界を作り上げてきました。私たちにとって「仕事」というのは、単に物を動かす、エネルギーを使うということではなく、どの方向に動かすか、何のためにエネルギーを使うかという点で重要になります。仕事のときは常に目標を定め、それに向かってエネルギーを注いでゆく必要があります。

 今後とも本来の仕事に集中し、余ったエネルギーを少しずつ自転車で放出していきたいと思います。

小林 良平

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